ロンドン観光に便利な「オイスターカード」と「トラベルカード」
ロンドンの公共交通機関は、ゾーンや利用時間帯により料金が区分されており複雑です。また、日本のような精算システムがないので、料金不足にはペナルティがあります。慣れないチケット購入は負担にあります。そんな観光客の強い味方が「オイスターカード」「トラベルカード」です。
そんな便利な「オイスターカード」と「トラベルカード」のどちらがお得なのかを徹底比較します。
オイスターカードの基本情報
オイスターカード(Oyster Card)は、交通系ICカードでICOCAやSUICAのようなカードで、事前にチャージした料金が利用ごとに差し引かれていくプレペイド式です。
オイスターカードを新規に発行するときに、5ポンドのデポジットが必要ですが、払い戻し時に返金されます。有効期限がないので再渡英時に利用することが可能です。
オイスターカードに「ICトラベルカード」をチャージすることができます。
コンタクトレス決済(Contactless Payment)とは、非接触型決済システムのことで、クレジットカードやデビットカードなどのコンタクトレスカードとApple PayやGoogle Payなどの電子マネーがあります。コンタクトレスカードやスマートフォンを改札のカードリーダーに直接かざすことで利用することが可能なので、とても便利です。コンタクトレス決済はオイスターカードと同じ料金システムで利用でき、1日の利用上限は30ポンドです。
オイスターカードの料金
オイスターカード/コンタクトレス | ||||
Zone | 1回乗車 | 1日上限 | ||
ピーク | オフピーク | ピーク | オフピーク | |
1のみ | 2.40 | 2.40 | 7.40 | 7.40 |
1~2 | 2.90 | 2.40 | 7.40 | 7.40 |
1~3 | 3.30 | 2.80 | 8.70 | 8.70 |
1~4 | 3.90 | 2.80 | 10.60 | 10.60 |
1~5 | 4.70 | 3.10 | 12.70 | 12.70 |
1~6 | 5.10 | 3.10 | 13.50 | 13.50 |
ピーク時: 月~金 06:30~09:30、16:00~19:00 (祝日を除く)
但し、平日16:00〜19:00にゾーン1以外→ゾーン1はオフピーク料金。
オイスターカードのプライスキャップ制
オイスターカード(コンタクトレス)は、1日の上限額が決まっており、上限額に達するとそれ以降は差し引きされず乗り放題となります。
地下鉄の場合
同じゾーンを利用している間は、そのゾーンの上限額に達したらそれ以上の差し引きがありません。
バスの場合
バス料金は一律1.55ポンド、1日の上限4.65ポンドなので、4回目の乗車からオイスターカードから引き落としはありません。
ロンドン交通局のバスは、現金で乗車することはできません。
トラベルカードの基本情報
トラベルカードには「ペーパートラベルカード」とオイスターカードのチャージする「ICトラベルカード」があり、1日券・7日券、ゾーンごとにピーク・オフピークの料金設定がされています。
1日券の有効期限は00:01~翌日04:30までで、オフピークは月~金曜日9:30まで使用することはできません。
トラベルカードの料金
1日券 | 7日券 | ||
Zone | ピーク | オフピーク | |
1のみ | 13.50 | 13.50 | 37.00 |
1~2 | 13.50 | 13.50 | 37.00 |
1~3 | 13.50 | 13.50 | 43.50 |
1~4 | 13.50 | 13.50 | 53.20 |
1~5 | 19.10 | 13.50 | 63.30 |
1~6 | 19.10 | 13.50 | 67.70 |
オフピーク1日券は、月~金曜日9時30分まで利用することができません。
ピーク1日券、7日券は時間帯関係なく利用できます。
「オイスターカード」「トラベルカード」の購入方法、利用方法、払い戻し方法などは、下記記事を参考にしてください。

オイスターカードとトラベルカード、どちらがお得なのか?
どちらを利用すればお得になるのは、1日の利用回数、ゾーン、時間帯、日数により変わります。
オイスターカードを利用した場合の料金を確認
公共交通機関の利用をすべてオイスターカードで利用した場合の料金を確認しましょう。
ゾーンの確認
ロンドンの地下鉄はゾーン制なので、まずは滞在先のホテル、行動範囲のゾーンを確認しましょう。
ゾーンの確認方法は、滞在ホテルや目的地の公式サイトなどから住所を確認し、Google map で最寄り駅を確認します。ロンドン交通局のロンドン地下鉄マップで最寄り駅がどのゾーンに属しているか確認します。
主な観光地ゾーン | |
ゾーン 1~2 | バッキンガム宮殿、ビックベン、ウェストミンスター寺院、ロンドンアイ、ロンドン塔、タワーブリッジ、大英博物館、ナショナルギャラリーなど |
ゾーン 3 | ウィンブルドン など |
ゾーン 4 | ウェンブリースタジアム など |
ゾーン 6 | ヒースロー空港、ハンプトン・コート宮殿、キューガーデン など |
オイスターカードを利用した場合の料金確認
ゾーンの確認ができたら、料金の確認は簡単です。
地下鉄の場合
地下鉄の上限は、乗車ごとに1回の乗車料金がチャージから差し引かれ、上限に達すれば、それ以降同じゾーンでの利用は乗り放題となりますが、違うゾーンに移動すれば、そのゾーンの上限まで差し引きがされます。
例えば、ゾーン1~2(6回乗車)の後、ゾーン1~4(2回乗車)の場合
ゾーン1~2(上限7ポンド)
1回目2.4ポンド、2回目2.4ポンド、3回目2.2ポンド、4回目以降無料
ゾーン1~4(上限10.1ポンド)
1回目2.8ポンド、2回目0.3ポンド
バスの場合
バス料金は一律1.55ポンド、上限4.65ポンドなので、4回目の乗車からは差し引きされません。
黄色いカードリーダーにタッチすると1.5ポンド差し引かれるので、1回の乗車で1回のタッチでOKです。降車時にタッチすると再度引かれてしまいます。バスからバスの乗り換えは、最初のタッチから1時間以内は差し引きされません。
オイスターカードとトラベルカードの比較
オイスターカードを利用した場合の料金を確認したら、トラベルカードと比較しましょう。
ゾーン1~2の場合、オイスターカードの1日上限は、地下鉄7.0ポンドとバス4.5ポンドの合計11.5ポンドで、トラベルカードは13.1ポンドなので、1日の利用はオイスターカードの方がお得です。
ゾーン1~6の場合、オイスターカードの上限は、地下鉄12.8ポンドとバス4.5ポンドの合計17.3ポンド、トラベルカードは13.1ポンド(オフピーク)でトラベルカードがお得になりますが、もしバスに乗車しなければオイスターカードがお得です。
利用回数、利用日数、利用範囲が違えば、どちらがお得になるのかわからないので、上記の方法でまずオイスターカードを利用した場合の料金を算出して、トラベルカードと比較します。
オイスターカードとトラベルカードの比較例(参考)
ゾーン1~2のみ利用、毎日同じ回数利用したとします。
① オイスターカード:地下鉄上限(7.4ポンド)
② オイスターカード:地下鉄2回+バス2回(7.9ポンド)
③ オイスターカード:地下鉄2回+バス上限(9.45ポンド)
④ オイスターカード:地下鉄上限+バス上限(12.05ポンド)
⑤ トラベルカード:1日券13.5ポンド/7日券37.0ポンド
1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | |
① | 7.4 | 14.8 | 22.2 | 29.6 | 37.0 | 44.4 | 51.8 |
② | 7.9 | 15.8 | 23.7 | 31.6 | 39.5 | 47.4 | 55.3 |
③ | 9.45 | 18.9 | 28.35 | 37.8 | 47.25 | 56.7 | 66.15 |
④ | 12.05 | 24.1 | 36.15 | 48.2 | 60.25 | 72.3 | 84.35 |
⑤ | 13.5 | 37.0 | 37.0 | 37.0 | 37.0 | 37.0 | 37.0 |
1~3日はどの場合でもオイスターカード、6~7日はトラベルカードがお得になります。4~5日は利用回数により、お得になるカードが変わります。
実際に利用する場合には、ヒースロー空港往復があったり、日により利用頻度も利用範囲も変わるので、確認するとどちらがお得かわかります。
「オイスターカード」「トラベルカード」どちらがお得なのか?まとめ
旅程によりどちらがお得になるかはわかりませんが、3日まではオイスターカード、6~7日はトラベルカードがお得に利用できそうです。
オイスターカードは上限額が設定してあるので、ゾーンがわかれば料金の確認は簡単で、トラベルカードとの比較は難なくできます。
同時に利用駅や観光ルートを事前確認もできて一石二鳥です。
料金など詳細は、ロンドン交通局 公式サイト でご確認ください。
お得にロンドン観光を楽しんでください。
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