クリムトの壁画があることで有名なウィーン美術史美術館。
650年間ヨーロッパを治めたハプスブルク家が蒐集したコレクションを元に設立され、名画がたくさんあり、美術好きにはたまらない美術館です。
- ウィーン美術史美術館の基本情報
- ウィーン美術史美術館のアクセス
- ウィーン美術史美術館の見どころ
- ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」
- ピーテル・ブリューゲル「農家の婚礼」
- ピーテル・ブリューゲル「雪中の狩人」
- ヨハネス・フェルメール「絵画芸術」
- ディエゴ・ベラスケス「マルガリータ王女」
- マルティン・ファン・メイテンス(子)「マリア・テレジアの肖像」
- エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン 「フランス王妃 マリー・アントワネットの肖像」
- ヨーゼフ・ホラチェク 「薄い青のドレスの皇妃エリザベト」
- ジュゼッペ・アルチンボルド「夏」
- ダフィット・テニールス「レオポルト・ウィルヘルム大公の画廊」
- ルーカス・クラーナハ「ザクセン公女ジビュラ、エミリア、ジドニア」
- ルーカス・クラーナハ「ホロフェルネスの首を持つユーディット」
- アンソニー・ヴァン・ダイク「シムソンの監禁(サムソンとデリラ)」
- ラファエロ「草原の聖母(ベルヴェデーレの聖母)」
- カラヴァッジョ「ロザリオの聖母子」
- ウィーン美術史美術館 まとめ
ウィーン美術史美術館の基本情報
ウィーン美術史美術館 営業時間
10:00~18:00(木曜 10:00~21:00)
入館は閉館時間の30分前まで
休館日
9月~5月は月曜日が休み
6月~8月は休館日なし
チケット
大人 21ユーロ
コンビチケット(ウィーン美術史美術館+王宮宝物館)
大人 29ユーロ
19歳未満は無料
ウィーン美術史美術館のチケット売り場は並んでいることがあるので、王宮宝物館でコンビチケットを購入すれば、美術館では並ばずに入館することができます。
ウィーン美術史美術館 公式サイトで事前予約することも可能です。
ウィーン美術史美術館 施設案内
クローク・コインロッカー
大きな荷物やリュック、傘などの持ち込みはできないので、エントランスから階段を下りたところにあるクロークまたはロッカーに預けましょう。
ロッカーはコイン返却方式なので、戻ってきたコインを忘れないように受け取りましょう。
また、コインはユーロのみ対応しているので、準備しておきましょう。
オーディオガイド
エントランス左カウンターで、日本語対応のオーディオガイドの貸し出しがされています。右側インフォメーションカウンターがあり、日本語のパンフレットなどがあります。
料金 6ユーロ(2台8ユーロ)
トイレ
各階にありとてもきれいです。
ショップ
エントランスホールとカフェホールにあり、高価なジュエリー、美術館公式グッズ、書籍、ポストカードなどいろいろなものがあります。
世界で最も美しいカフェ
カフェKHM(Kunst Historisches Museum)
ウィーン美術史美術館内に「世界で最も美しい」と言われるカフェがあり、宮殿の中にいるような美しい彫刻や装飾が、優雅な時間を楽しむことができます。
吹き抜けの天井なので、上階から美しいカフェを見ることができるので、是非見てください。
ケーキを注文するとケーキにフォークが刺さって運ばれてくることがありますが、驚かないでください。運んでる途中でフォークが落ちないように、ケーキが倒れないようにという理由からなので、決して嫌がらせではありません。
ウィーン美術史美術館のフロアガイド
フロアは、-0.5階・0階・0.5階・1階・2階の5フロア。エントランスフロアは0階にあり、展示フロアは0.5階、1階、2階です。
0.5階
古美術コレクションの展示で、「美術工芸室」「古代ギリシャ・ローマコレクション」「古代エジプト・オリエントコレクション」に分かれています。
1階
絵画ギャラリーで、世界最大のプリューゲルコレクション、フェルメール、ベラスケスなどの名画が展示されています。
2階
コインコレクションとなっています。
所要時間
絵画ギャラリーのみで1~2時間、全フロア見学で3時間くらいです。
クリムトの壁画
若き日のクリムトが描いた壁画があります。カフェの入口上部あたりにあるので、反対側に行くと見ることができます。
ここから見るとクリムトの壁画を正面から見ることができます。
ウィーン美術史美術館のアクセス
Uバーン Museumsquartier 駅徒歩3分
Uバーン Volkstheater 駅徒歩5分
トラム Burgring 停留所徒歩3分
バス Burgring 停留所徒歩3分
バス Getreidemarkt 停留所徒歩5分
マリア・テレジア像を挟んで広場の反対側に、ウィーン美術史美術館と瓜二つのウィーン自然史博物館があります。
ウィーン美術史美術館の見どころ
ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」
ウィーン美術史美術館にはブリューゲルの作品が多数あります。
プリューゲルの作品で最も有名「バベルの塔」は、大と小があり、ウィーン美術史美術館にあるのは114×155cm の大バベルです。小さい小バベル(60×75cm)はオランダ ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館にあります。
バベルの塔は、旧約聖書にでてくる架空の建物です。
天に届く高い塔を作ろうとして神の怒りに触れてしまい、同じ言葉を話していた人間同士の言葉が通じないようしたため混乱して、建物が完成しなかったってお話。
細かい建設途中の様子が見えます。
ピーテル・ブリューゲル「農家の婚礼」
婚礼なんだけど、どの人が花嫁で花婿なのかわかりずらい。
納屋のような小屋でも婚礼、手前の子供はお皿をなめているし、農民の暮らしがどのようであったかがわかります。
ピーテル・ブリューゲル「雪中の狩人」
収穫がなくがっかりしている狩人と犬たち、遠くからでもキャッキャッしてる声が聞こえそうなスケートをしている人たちの対比がおもしろいです。
この作品、すごく好きです。
ヨハネス・フェルメール「絵画芸術」
モデルを描いている画家を描いている。画家はフェルメール自身ではないかと言われています。
モデルがラッパと本を持ち、頭には月桂樹?の冠をのせていますが、変じゃない?モデルさんもこれでいいのって感じですが、どんな意味があるのでしょう。
壁には当時のネーデルラント連邦共和国の地図が掛けられており、シャンデリアにはハプスブルク家の紋章の鷲が飾られています。蝋燭をたてていないことで、ハプスブルク家の没落があらわされているとか、ハプスブルク家=カトリック、フェルメール自身がカトリックに改宗したことを あらわしているのではと言われています。
ディエゴ・ベラスケス「マルガリータ王女」
4代目フィリペ4世の長女マルガリータは王のお気に入りで、宮廷画家ベラスケスに多くの肖像画を描かせています。
この肖像画は、スペインのハプスブルク家からオーストリアのハプスブルク家にマルガリータの成長を知らせるために、許嫁に送られたもので、マルガリータ8歳の肖像画です。
曾祖父母は伯父姪婚、祖父母は近親婚、父母は叔父姪婚と近親婚を繰り返したのちに生まれた子だったため、近親交配度が通常の4倍だったと言われています。
マルガリータは15歳で母の弟と結婚するために、オーストリア ウィーンのハプスブルク家に嫁ぎ、5人の子供をもうけますが、5人目の出産後の22歳の若さで亡くなります。マルガリータの子供も5人のうち、長女は成人しましたがその他の子供は幼いうちに亡くなっています。
豪華な衣装のマルガリータが、悲しくみえてきます。
マルティン・ファン・メイテンス(子)「マリア・テレジアの肖像」
マルティン・ファン・メイテンスは、ウィーン ハプスブルク家の宮廷画家となり、王家の人々の肖像画をたくさん描いています。
「女帝」そのものって感じでドーンとしたマリア・テレジア。迫力があるだけじゃない、女性としても魅力をあらわされていると思います。
エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン 「フランス王妃 マリー・アントワネットの肖像」
「マリー・アントワネットの肖像画」と言って見たことがあるもののほとんどが、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランによって描かれたものです。絵だけではなく、人柄を気に入られていたため、友達のようだったと言われています。
フランス革命のときには、娘と農民に扮装してイタリアに逃れて助かります。絵の仲間だった幼馴染は大丈夫だと逃げなかったために断頭台におくられたので、逃げなかったら同じ運命だったでしょう。
マリー・アントワネットの豪華な生活が見えるような肖像画です。
ヨーゼフ・ホラチェク 「薄い青のドレスの皇妃エリザベト」
シシィの愛称のエリザベトの肖像画。ウエスト何センチなんだろ?
ドレスの光沢でシルク素材であることがわかりますね。
ジュゼッペ・アルチンボルド「夏」
春夏秋冬の「四季」と、大気・火・大地・水の「四大元素」の連作があり、春と大気、夏と火、秋と大地、冬と水、それぞれ対になるようになっています。
ウィーン美術史美術館は四季の夏と冬、四大元素の火と水を所蔵しており、対になって向かい合うように展示されています。
「四季」はそれぞれの季節の野菜や植物、「四大元素」はそれぞれに相応しいもの、動物や魚類、火器や武器などで表現されています。
ダフィット・テニールス「レオポルト・ウィルヘルム大公の画廊」
テニールスは、美術愛好家だったオーストリア大公レオポルト・ヴィルヘルムの宮廷画家をする傍ら、大公が所蔵する膨大な美術品の管理を任されていました。
画中画で描かれている50数点は実際に大公が所蔵していた作品で、よく見るとどの作品なのかわかるものがあり、また、ウィーン美術史美術館で実際に見ることができる作品もあります。
左側下から2番目にティツィアーノ・ヴェチェッリオ「タンバリンを演奏する子ども」が描かれています。
画中画の作品を見つけてみるのも楽しいです。
ルーカス・クラーナハ「ザクセン公女ジビュラ、エミリア、ジドニア」
ルーカス・クラーナハの作品も数枚あります。
ルーカス・クラーナハ「ホロフェルネスの首を持つユーディット」
ユデットは、旧約聖書外伝の中に登場する強い女性。敵陣をだまして信用を得たところで入り込み、寝首を掻き持ち帰ったのです。
ユデットのどこを見つめているのかわからない目と生首の対比が、怖さが増します。
ベルヴェデーレ宮殿にあるクリムトの「ユデットⅠ」が有名ですが、ユデットの表情を比べてみるとおもしろいです。
アンソニー・ヴァン・ダイク「シムソンの監禁(サムソンとデリラ)」
少数派のダン人は、怪力サムソンの力でペリシテ人の支配から解放されました。ペリシテ人はデリラという女性を使い、サムソンの弱点が「頭髪」であることを知り、デリラに頭髪を剃らせ力を失ったサムソンを監禁し、目つぶしを行います。裏切られたサムソンの悲しい顔がなんとも・・・涙。
師であるルーベンスの画風に似せて描かれています。
ラファエロ「草原の聖母(ベルヴェデーレの聖母)」
優しいほほえみで浮かべる聖母マリア。左が聖ヨハネ、右がキリストで、細長い十字架を握っています。
カラヴァッジョ「ロザリオの聖母子」
364.5×249.5cm 大きな作品でとても迫力があります。
ウィーン美術史美術館 まとめ
ウィーン美術史美術館は宮殿のように豪華な美術館で、階段ホールは大理石の彫像や装飾、天井フレスコ画、クリムトの描いた壁画があります。装飾などを見るために単眼鏡などを持って行かれることをおすすめします。クリムトの壁画が高いところにあって、下からでは見えずらいです。
世界一美しいカフェがあるので、休憩にちょうどいいです。とても優雅な気持ちになれます。
絵画の蒐集が素晴らしく、もう一度と言わず何度でも訪れたい美術館です。
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