レンバッハハウス美術館 (Städtische Galerie im Lenbachhaus)
ドイツ・ミュンヘンにある「青騎士」派の作品が多く展示されている美術館です。
肖像画家として成功したフランツ・フォン・レンバッハ邸を増改築して作られています。
レンバッハハウス美術館 公式サイト
レンバッハハウス美術館の基本情報
営業時間
10:00~18:00(木曜日のみ 20:00まで)
休館日 月曜日
チケット料金
大人(18歳以上)10ユーロ
割引料金 5ユーロ
18歳未満は無料
学生などは割引料金が適用されますが、証明書が必要です。
※音声ガイド(ドイツ語・英語)付き
チケットはオンラインでも購入可能。
レンバッハハウス美術館へのアクセス
「Königsplatz」駅 徒歩1分
Uバーン(U2・U8路線)・バス(68・100)
「Stiglmaierplatz」駅 徒歩6分
Uバーン(U1・U7路線)
ミュンヘン中央駅からのアクセス
800mくらいなので10分で歩けます。
電車で行くなら、Uバーン・U2路線
「Hauptbahnhof」→「Königsplatz」
マリエン広場からのアクセス
1.5Kmなので歩くと20分程度です。
Uバーン(U6路線)「Munich Marienplatz station」→「Sendlinger Tor」
U2路線に乗り替えて「Königsplatz」
Sバーン(S1/S3)「Munich Marienplatz station」→「München Central Station」
Uバーン(U2)に乗り替えて「Hauptbahnhof」→「Königsplatz」
レンバッハハウス美術館 作品
フランク・マルツ、ワシリー・カンディンスキーなど「青騎士」メンバーの作品が多くあります。
フランツ・マルク
ミュンヘンの名家、風景画家の息子と生まれ、子供の頃から父親にデッサンの基礎を教わりました。厳しい父は、マルクの絵を褒めることはなかったと言われています。
また、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホに強く影響を受け、パリへ頻繁に通っていました。
美術ジャーナル誌「青騎士」創刊後、そのまま「青騎士」は芸術家集団となり、展覧会が開かれるようになります。
第一次世界大戦で36歳に亡くなっているため、画家としては10年程ですが、動物を愛し動物画をたくさん残しています。
レンバッハハウス美術館には、フランツ・マルクの作品を集めたコーナーがあります。
青い馬 Ⅰ
「青は男性的。厳しく精神的な色」と友人宛ての手紙に書いていたので、マルクにとって馬は男性的で力強いイメージなのでしょう。
ヒトラーは「青い馬などいない」と言い、マルクの作品も「退廃芸術」と弾圧して、マルクの代表作「青い馬の塔」はベルリンのナショナルギャラリーから没収したのち、行方不明のままです。ヒトラー、見る目なし。
マルクの青い馬は本当に素敵なので「青い馬の塔」も見てみたいです。
誰かがこっそり隠してて、その子孫が見つけて出してくれたりしないかな。
「青い馬 I」すごく印象的な作品で、何度も戻って見に行きました。
虎
虎のしなやかさを直線で表している「虎」
色彩がすごいですね。
この作品も引き込まれるものがありました。
雪の中の鹿
牛 黄・赤・緑
ワシリー・カンディンスキー
モスクワ出身、オデッサ芸術大学で学び、教職に就いたのち、ミュンヘンに移り美術院で学んでいます。ミュンヘン新芸術家協会会長になりますが、フランツ・マルクと脱会して「青騎士」を結成します。
レンバッハハウス美術館にカンディンスキーの作品がたくさんあるのは「青騎士」メンバーであり、恋人だったガブルエレ・ミュンターのお陰です。
「青騎士」メンバーの作品も退廃芸術とされ、押収→没収後、売却されました。
ミュンターは手元にあったカンディンスキーやマルクの作品を地下室に隠して、没収を免れたのです。
ミュンターが80歳のときに、レンバッハハウス美術館に寄贈してくれました。
馬の上のカップル
カンデンスキーの作品で一番好きです。
実際に見るとすごく幻想的で素敵なので、直に見ていただきたい。
ガブリエレ・ミュンター
女であることから芸術学院への入学が許されずにいたが、カンディンスキーが教授をしていた芸術学校で学びます。
のちに、カンディンスキーと内縁関係になり、長年一緒に暮らしますが、カンディンスキーは話し合うこともなくロシアに帰ってしまいます。関係の清算もせずに、すぐにカンディンスキーが結婚してしまったことを悲しみます。
カンディンスキーは、ミュンターの元に置いていた全作品の返還を迫り、数年に及ぶ法的な争いの末、大作は返還され「ほかに残る諸品の権利をミュンター=カンディンスキー夫人に譲る」との誓約書をもらいミュンター帰属となりましたが、ミュンターが欲しかったのは作品ではなく、婚約破棄に対する償いだったのではないでしょうか?
ミュンヘンから電車で1時間の街 ムルナウ に「ロシア人の家」と呼ばれた、ミュンターとカンディンスキーが暮らし、青騎士メンバーも滞在した「ミュンター・ハウス」があります。この家の地下に青騎士メンバーたちの作品を隠し、ナチスから守りました。
二人が暮らした当時が再現され、二人の作品を見ることができるようになっています。
マリアンネ・フォン・ヴェレフキンの肖像
「青騎士」のメンバーだったマリアンネ・フォン・ヴェレフキンの肖像です。
ヴェレフキンはロシア貴族の令嬢で裕福で教養のある女性。
「青騎士」メンバーであるアレクセイ・フォン・ヤウレンスキーのパトロンであり恋人でしたが、ヤウレンスキーの裏切りで悲しい思いをしたとか・・・。
花飾りのついた帽子をかぶってるので、この頃は幸せだったのでしょうね。
アレクセイ・フォン・ヤウレンスキー
ヤウレンスキーは貧しい家庭に生まれたが、裕福な男爵令嬢で「ロシアのレンブラント」と呼ばれたマリアンネ・フォン・ヴェレフキンの援助と指導を受け、11歳の使用人ヘレーネとともにミュンヘンに移住しました。ヴェレフキンは、自分の制作を放棄してヤウレンスキーの指導に熱を入れていました。
メイドとして同伴したヘレーネが、ヤウレンスキーの子供を産みます>えっ!
第一次世界大戦時、ヴェレフキンに連れられ、ヤウレンスキーはヘレーネと子供と共に、スイスに亡命しますが、それまでのような生活ができず、ヤウレンスキーは新しいパトロンを見つけてドイツに戻り、ヘレーネと結婚しヴェレフキンとは別れます。
ヤウレンスキーにとってヴェレフキンは、師匠であり、パトロンであり、恋人じゃなかったの?
お互い割り切った関係だったのかわからないけど、なんだか利用された感があるよね。
成熟
ザハロフの肖像
鏡 オスカー・ズウィンツシャー
レンバッハハウス美術館 庭が素敵
レンバッハハウス美術館の庭が、素敵です。
建物側から見ても、庭側から建物を見ても、絵になるぅ~って感じです。
ホフブロイハウス に案内してくれたドイツ人から、おすすめされて訪れたレンバッハハウス美術館。
行ってみて良かったです。
ミュンヘン市内中心部にあるので、行きはバスで帰りはミュンヘン中央駅経由でマリエン広場までプラプラと歩きました。
「青騎士」の作品がたくさん展示されており、入れ替えもあるので、また機会があれば訪れてみたいと思います。
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